印鑑の「アタリ」って何?意外と知られていないその役割とは

印鑑7

一般的な印鑑は丸い形や正方形をしたものが多く、捺印の際に上下がどちらか分からなくなってしまうこともあります。そこでスムーズに捺印できるよう、印鑑には上下の目安になる「アタリ」と呼ばれる目印がついていることがあります。

しかし、この「アタリ」はすべての印鑑についているわけではありません。アタリがついている印鑑とついてない印鑑の違いと一体何なのでしょうか。

そもそも「アタリ」とはどんなもの?

アタリとは「サグリ」とも呼ばれている印面の上部を示す「前印」のことです。アタリがあることで判を押す際にまっすぐと押すことができ、斜めになってしまったり、上下逆さまになってしまったりするのを防ぐことができるのです。

アタリには印鑑の側面の部分を削ってへこみが作られているものや、突起物が埋め込まれているものなどがあります。認印など安価で手に入る印鑑では、削ってへこみを作るアタリが多くみられます。しかし、オーダーメイドで印鑑を作る際にはさまざまなデザインのアタリを選ぶことができるのです。

特に女性に人気のアタリは、スワロフスキーのラインストーンやパール、宝石が埋め込まれているものなどデザイン性が高くおしゃれなものです。しかし、印鑑にアタリをつけるのならデザインだけでなく、「アタリの役割」を正しく知っておくことも必要です。

印鑑の種類によっても違う!アタリがあるもの、ないもの

印鑑の種類には「実印」「銀行印」「認印」があり、日常的によく使うのは認印です。認印は意思確認のために使われるもので、宅配便の受け取りや、書類の確認などの場面で使用されます。100円ショップなどで売られているような大量生産品や、シャチハタも認印として使うことができます。

そのため、同じ印面のものが多数存在していることになり、重要な契約などでは認印を使うことはできません。銀行印はその名の通り金融機関で口座を開設するときに用いられ、窓口で預金を引き出すときなどに必要です。

実印は役所に印鑑登録をしている印鑑です。

実印は法的な効力を持っており、不動産の売買や車の契約など重要な場面で使用することになります。認印や銀行印にはアタリがついていることがほとんどです。特に認印は日常的によく使うものなので、使うたびに印面の上下を確認するのをわずらわしく感じることから、スムーズに捺印ができるようアタリがついているのです。

しかし、実印の場合はアタリがついていないものが多くあります。これには実印を使う場面が大きく影響しているのです。

実印にはなぜアタリがないの?

実印は不動産の売買や、車や保険の契約など人生において重要な場面で使われます。大切な契約の書類だからこそ、まっすぐキレイな判を押すためにもアタリがついていた方がいいようにも感じます。しかし、実印にはあえてアタリをつけない理由があるのです。

実印を使うタイミングは、契約書の確認や署名など手続きに必要なことをすべて終えたあと、最後の意思確認として判を押します。アタリがついていないと印鑑を使う際に上下を確認するため、印面を必ず見ることになります。

印鑑を押す前に印面を確認するという行動を挟むことによって、ひと呼吸おくことができます。この間を作ることで「本当に判を押していいのか」と一瞬冷静に考えることができるのです。もし、実印にアタリがなかった場合、署名をした流れでそのまま判を押してしまうことになるでしょう。

勢いで大きな買い物をしてしまって後悔しても、実印には法的な効力があるので一度捺印をしてしまうと簡単に取り消すことができません。こうしたことを防ぐために、あえて実印にアタリをつけないという工夫がされているのは、印鑑を使う人のことまでよく考えて作られていると感じますよね。

実印にアタリがない理由はほかにも!

世の中に同じものがいくつも存在していては実印の意味がありませんから、実印はオーダーメイドで作ってもらうことになります。世界に一つしかないものなので、「実印=自分の分身」という考え方を持っている人も多いのです。

そうした人にとっては、自分の分身である実印を削るなどしてアタリをつけることは、自分自身を傷つけているのと同じことだと感じるのです。縁起が悪いと感じ、「自分の運気が下がってしまうのでは」と心配する人もいます。

実印は自分の体と同じように大切にしたいという考えから、実印にアタリをつけることを嫌がる人も多くいます。

実印をつくるときにはアタリの有無も考えよう

実印にはアタリを入れないきちんとした理由があるというのを踏まえたうえで、実印を作る際にはアタリをつけるかどうか考える必要があります。実印はオーダーメイドで作ることになりますが、印鑑の素材、色、デザイン、大きさ、書体など自分の好みによって決めることができます。

こうした部分にこだわって作る人も、アタリに関してはあまり意識したことがないという人もいるのではないでしょうか。印鑑専門店ではアタリを入れるかどうか自分で決められるところもあれば、実印には一切アタリを入れないというお店もあります。

慎重なタイプだから冷静に物事を判断できるという人や、まっすぐキレイな判を押すことにこだわりたいという人なら、アタリがついている実印でもいいかもしれません。ただ「おしゃれだから」「便利だから」という理由だけでアタリをつけようと考えているのなら、もう一度じっくりと考えてみる必要があります。

実印は自分にとって非常に重要で、ほとんどの人が一生使い続けていきます。実印を作る際にはアタリについてもよく考えて、納得のいくものを作りましょう。

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シールでアタリを作ることもできる!

すでに持っている実印にアタリがないけれど、どうしてもつけたい場合にはシールがおすすめです。シールをつける際には、できるだけ小さいものの方が分かりやすくなります。また、シールであれば実印を傷つけることにはならないので、実印を削ってへこみをつけることに抵抗がある人にも向いています。

シールはアタリとしての役割だけでなく、印鑑そのものを見分けるときの目印にも使えるため便利です。実印と銀行印がどちらだか分からなくなってしまった、家族の分の印鑑をまとめて管理していてどれが誰の分か分からなくなってしまったという経験はありませんか。

こうしたことを防ぐためにも、自分や家族だけが分かるような目印をシールでつけておくことで、印鑑が管理しやすくなります。アタリとしてシールをつけるのなら、目印にもなるようなシールを選ぶことで実用的になるでしょう。